魅力あふれる「リノベーション物件」、新築よりもおすすめ?

 

「リノベーション物件」は、新築物件や中古物件などの通常の住宅とはちょっと違った魅力や特徴があります。

内装は新築と変わらないくらいおしゃれできれいなのに、購入費用は新築よりも安かったり、立地条件に合った物件を見つけやすかったりすることがポイントです。

 

リノベーション物件の魅力は何?

リノベーション物件の魅力について詳しく紹介していくので、新築物件との違いを参考にしてみてください。

 

新築物件よりも費用を抑えられる

リノベーション物件はもともと中古物件なので、当然、その仕入額は新築物件よりも安くなります。
また、リノベーションにかかる費用は、規模にもよりますが、相場は500万円〜800万円だと言われているので、内装や設備が新築と変わらないくらいきれいでも、新築より2割〜3割くらい費用を抑えることができるのです。

物件を広い範囲で選択できる

希望のエリアにあって、これから暮らす理想の家の条件に合った新築物件を見つけるというのは、かなり困難なことだと思います。
でも、リノベーション物件はどんどん増えてきており、新築物件よりも圧倒的に多いので、希望の条件にピッタリのものを選択しやすいのです。

 

資産価値の面で有利

新築物件は、購入して少しの期間でも誰かが住んだら、その時点で“中古物件”という扱いになり、査定額は約70%くらい下がってしまいます。
その後も、築年数を重ねるごとに資産価値はどんどん落ちていき、15年〜20年経過すると50%〜60%くらい下がり、その後の下落率はほぼ横ばいになるようです。

その点、リノベーション物件の場合、元々が中古物件なので資産価値の下落は終わり、大規模な改修工事を行うことで価値は高まり、下落率も緩やかになるのです。

 

周辺環境まで確認できる

リノベーション物件は、購入を検討している段階で内見することができるので、家の細かいところを確認できるだけでなく、周辺の環境まで事前に把握することができます。
新築物件は、実際の家を見られないことも多く、モデルルームを見学するだけで購入を決断しなければならない場合もあります。
モデルルーム見学では、家の内装は確認できますが、日当たりの状態や実際に住む土地の環境、近隣住民はどんな人たちが住んでいるか、ということまでは全くわからないでしょう。
リノベーション物件なら、このような不安もなく購入できるのです。

 

 

リノベーション物件を購入する前に確認すること

魅力あふれるリノベーション物件ですが、「安いから」「住みやすい環境にあるから」「設備が整っているから」、という理由だけで購入を決めてはいけません。
リノベーション物件を購入する際は、しっかりと確認して欲しいことがあります。

 

耐震性や耐久性

リノベーション物件は、見かけはきれいで新築のようですが、あくまでも中古物件なので、耐震性や耐久性に関しては注意が必要です。
もちろん、リノベーションの工事で、さまざまな箇所の改善や交換、補強、強化などを行いますが、基礎から作り直すわけにはいかないので、建物の構造の耐久性を全体的に高める工事まで行っているかはわからないことがあります。
築年数が古い場合は、購入する前に、どこまで工事を行っているか、しっかりと確認しましょう。

 

マンションの場合、共用部分は古い

中古マンションをリノベーションした場合、マンションそのものを全体的にリノベーションした場合は問題ないですが、ほとんどの場合、分譲部分だけのリノベーションになるでしょう。
リノベーションした部屋に入れば、新築のように素敵な内装で快適に過ごせますが、マンションの外観や通路、エレベーターなどの共用部分は古い状態に変わりないので、友人や知人などからの評価を気にする方は、よく検討した方が良いでしょう。

 

 

リノベーション済み物件と、中古物件購入後リノベーションを行う場合との違い

リノベーション物件を検討する場合、リノベーションされた物件を購入する場合と、中古物件を購入してからリノベーション業者に依頼する場合があります。
中古物件購入後にリノベーションする場合と、リノベーションされた物件を購入する場合の違いについて紹介します。

 

リノベーション物件は選択肢が少なくなる

自分の希望に合ったリノベーション物件を探すのは、新築物件よりもずっと見つけやすいですが、中古物件と比べたら圧倒的に少なくなります。
今後ずっと暮らしていく家に強いこだわりや環境に不安がある方は、より選択肢の多い中古物件を購入して、その後理想のリノベーションを行うのが良いでしょう。

 

購入してからすぐ住めるかどうか

中古物件を購入してからリノベーションする場合は、物件を引き渡されてから、設計や施工などが行われるので、そこに住めるまでに約2か月〜3か月かかってしまいます。
賃貸住宅であれば、住めない期間も家賃は発生するので、損をした気分になります。
リノベーション物件なら、引き渡しからそのまま住むことができるので、購入後すぐに住みたい方や、引っ越しの期間が短い場合は、リノベーション物件の方が良いでしょう。

 

完成度の確かさ

中古物件購入後にリノベーションする場合、内装や間取り、キッチンや水回りなどの希望をリノベーション業者に伝えて、それに近づけていくことができます。
理想の住まいを強くイメージしている方には向いており、完成した時は達成感や感動が得られるでしょう。
しかし、依頼した業者の技術力やコミュニケーション不足によって、どんなに希望を伝えて細かい計画を立てたとしても、「完成後のリノベーションがイメージと少し違っていた」と後悔することもあります。

リノベーション物件の場合は、すでに完成した状態の物件を購入するので、その物件に満足できれば不安になることもないでしょう。
「自分の思い通りにリノベーションしたい」という強いイメージをもっている方は、中古物件をまず購入した方が良いかもしれませんが、その完成度に不安や確信が持てないという方は、リノベーション済みの物件を購入した方が良いでしょう。

 

資金計画について

中古物件を購入後にリノベーションする場合、中古物件の購入は不動産仲介会社に依頼して、リノベーションはリノベーション業者や設計事務所に依頼することになります。
そのため、中古物件購入の費用によって、その後のリノベーションにかけられる予算を調整していくので、全てに必要な費用をコントロールするのは難しくなります。
その点、リノベーション物件なら、物件を購入する際の価格にリノベーション費用も含まれているので、必要になる費用の総額がわかりやすいです。

また、中古物件購入後にリノベーションする場合でも、物件探し、設計、施工という流れを1社が窓口となって対応してくれる「ワンストップリノベーション」というサービスもあります。
さらに、ワンストップリノベーションには、物件費用とリノベーション費用が一体型になったローンを組むこともできるのです。
このようなサービスを利用すれば、短期間でリノベーションでき、資金計画も立てやすくなります。

 

リノベーション物件は中古だった時の状態が確認できない

リノベーション物件は、今は内装全てが新築のようにピカピカで快適に暮らせそうに見えても、中古物件だった頃がどのような状態だったかはわかりません。
築年数が浅い場合は心配はいりませんが、築30年以上の物件は、屋根や床下、下地材、給排水管が老朽化して問題が潜んでいる可能性も高いです。
住み始めてすぐに不具合が生じることもあるので、内装だけでなく、見えないところの修繕や交換までしっかりされているか必ず確認をしましょう。

また、リノベーションとは大規模な改修工事を行うことを意味しますが、業者によっては、一部分を改善するリフォーム程度の工事で、「リノベーション済み」としていることもあります。
家を買うということは人生で最も大きい買い物だと思うので、少しでも不安や疑問が生じたら、十分に納得できるまで業者に聞いたり専門家に相談したりしましょう。

 

 

リノベーション物件選びに失敗しないために

リノベーション物件を購入するには、事前にさまざまなことを確認や把握することで、理想の暮らしが手に入ります。
しかし、どんなに購入前に確認していても、「住んで初めて気づいた」「ここまでは確認してなかった」「こんなことになるとは思ってもいなかった」という後悔の声も実際にあります。
それでは、実際にリノベーション物件を購入して、後悔や失敗だと感じた方の意見をもとに、購入前に知っておいてほしいことを紹介します。

 

断熱の問題

「リノベーション物件を購入して家はとってもおしゃれになったけど、冬場は部屋がとても寒い」という意見があります。
「朝起きた時に部屋が冷えている」「窓から熱が逃げてしまう」「いつも寒くてエアコンを回しっぱなし」という不満もあるようです。
また、夏場は、逆に暑すぎるという意見も多いです。

このように、リノベーション物件の温度の快適さに関する不満はよく聞かれます。
この原因は、断熱がしっかりしていないからで、床や壁、天井などに十分に断熱材が入っていたり、断熱効果のある窓が使用されていたりすれば、エアコンを強くしなくても、一年中快適に過ごせるはずです。

中古物件を購入してからリノベーションを行う場合は、断熱をしっかり行ってもらいましょう。
また、リノベーション物件を購入する場合は、その物件に十分な断熱効果があるか確認しましょう。
リノベーション物件を購入してから断熱に問題があるとわかっても、部屋を壊さずに断熱化できる方法もあるので、業者に相談すると良いです。

 

内装のデザインに飽きる

リノベーションの魅力は、内装やキッチン、お風呂が使いやすく改善され、しかも素敵なデザインに生まれ変わることでしょう。
自然の木材をふんだんに使用したナチュラルな雰囲気の部屋、洗練されたおしゃれなカフェのような部屋、北欧テイストの部屋など、自分の趣味や理想に合わせて決めることができるのが魅力です。
しかし、家の内装に強いイメージを持っていると、内装のデザインにこだわってリノベーションしても、2〜3年くらい経つと飽きてデザインをまた変えたくなる方は多いです。
飽きてしまったからと、内装に飽きて、再びリフォームやリノベーション工事を行うのは、金銭的に難しいので、家具やインテリアなどを入れ替えて雰囲気を変える方は多いです。

リノベーションを検討して業者で施工実例写真を見せてもらい、「リノベーションするとこんなに素敵な部屋に生まれ変わるんだ」「こんなおしゃれな部屋にしたい」と驚くでしょう。
でも、実は、部屋の雰囲気を作り出しているのは、そこにコーディネートしてある家具やインテリアなのです。
つまり、あまり凝ったデザインのリノベーションを求めなくても、家具やインテリアの選び方やコーディネートの仕方を工夫すれば、シンプルなリノベーションでも理想の空間は作れるということです。

そのため、「リノベーションによっておしゃれな部屋にしたい」または「理想のリノベーション物件を見つけたい」というのであれば、リノベーションのデザインにお金を費やすよりも、家具に統一感をもたせたり、インテリアコーディネートにこだわったりした方が実現しやすいのです。
また、飽きてしまった時も、家具を変えたり模様替えをしたりしやすくなるのでおすすめです。
リノベーションのメリットには、「古い部屋がおしゃれなデザインに生まれ変わる」ということも含まれますが、デザインばかりこだわるのではなく、「家族みんなにとって、より快適で住みやすい空間を実現する」のが、一番の目的ではないでしょうか。

 

立地の問題

中古物件購入後にリノベーションした場合、建物や内装は大満足でも、その家の周辺環境が気に入らない、という悩みは結構あります。
中でも特に多いのが、「近隣の家で日差しが遮られる」「スーパーやお店が近くにない」「幼稚園や保育園が遠い」など、日常の生活に影響する問題です。

「理想の暮らしを実現したいけど、予算がないから」という場合に、駅やお店などが遠い立地条件の悪い場所を選んだり、周辺環境を気にせずに建物だけを見て決めてしまったりすることがあります。
「理想の家が手に入るのだから気にならない」と最初は思うかもしれませんが、毎日生活していくうちに我慢できなくなることもあります。
後悔しないためには、物件だけを見るのではなく、毎日の暮らしや将来のことも考慮して、最適な場所かどうかもしっかりと確認しないといけません。

 

メンテナンスや維持費のトラブル

リノベーション物件は、見た目は新築のようですが、もともと築年数が経った中古物件なので、購入後に補修が必要になったり、雨漏りが発生したりすることもあります。
雨漏りは建物を劣化させてしまうので、購入前に心配なことは十分に聞いておきましょう。

また、中古マンションの場合、「修繕積立金」や「管理費」という維持費を毎月支払わないといけません。
その維持費が満足のいく使われ方をされているのなら良いのですが、マンションの管理組合によっては、なんのために毎月支払っているのかよくわからない、という怒りの声もあります。
マンションに住む場合は、これらの費用が何に使われているのか把握することが重要です。

 

売却しにくい

リノベーション物件を購入したり、中古物件をリノベーションしても、さまざまな理由により、その物件を売却しなければいけない状況もあるでしょう。
最近では、リノベーション物件の人気が高まっているので、「きっとすぐに売れるだろう」と思っていても、逆に売却しにくい場合もあるようです。

それは、内装が持ち主の個性に合わせた奇抜なデザインであったり、改造が加えられたりしていると、その内装を好む人は少なくなるでしょう。
また、若い人たちに人気のデザインでも、年配の方たちには受け入れられないこともあります。

リノベーション物件を購入した時は、売却することになるとは思っていないでしょうし、自分が住む家なので自分の趣向に合った空間にしたいのは当然でしょう。
しかし、もし売却となった時、個性的なデザインに統一された内装などは、売却が難しくなるので、できればどの年齢層からも受け入れられるシンプルなデザインのリノベーションにして、家具などで自分好みに演出して楽しむことをおすすめします。

 

 

リノベーション物件を賃貸で借りる

リノベーション賃貸物件なら、おしゃれで快適な暮らしを実現できるリノベーション物件を賃貸で借りて、気軽に理想の暮らしが手に入ります。
でも、「普通の賃貸物件よりも、家賃がかなり高いのでは?」と思う方も多いでしょう。

確かに少し高くなりますが、家賃は築年数や家賃相場をもとにしているので、相場よりも5千円〜1万円程度高いくらいです。
その金額で機能性に大変優れ、おしゃれなデザインの部屋が自分のものになるのなら、料金設定は満足できると思います。

その他にも、リノベーション賃貸物件のおすすめしたいところ、注意した方が良いことを紹介します。

 

リノベーション賃貸物件のメリット

リノベーション賃貸物件のメリットというと、やはり「おしゃれで設備が整った住みやすい部屋」ということでしょう。
リノベーションを行った物件は、築年数が経っていても、内装は新築と同じくらいきれいで、設備も改善され機能性に大変優れています。

また、リノベーション賃貸物件は、「家賃交渉を進めやすい」というメリットもあります。
これは、大家さん側は、リノベーション費用を早く回収したいので、入居者をいち早く確保したいからで、家賃の値下げ交渉にも快く応じてくれることが多いのです。

 

リノベーション賃貸物件のデメリット

賃貸物件に限らず、リノベーション物件は築年数が20年以上であることがほとんどなので、部屋の中は新築のようにピカピカでも、建物全体を見てみると古さを感じられます。
また、耐震性や管理の面にも問題があることも考えられるので、「外からの見た目が古くても良いか?」「安全性に問題はないか?」などを契約前にしっかりと確認しましょう。

 

おすすめのリノベーション賃貸物件

リノベーション賃貸物件には、さまざまなタイプがあります。
例えば、ナチュラルなぬくもりを感じ癒される「ナチュラルタイプ」、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気の「シック・モダンタイプ」、北欧風のカラーを取り入れたシンプルなデザインの「北欧タイプ」、おしゃれなカフェのような「ビンテージタイプ」など、きっとあなたが理想としている素敵な部屋が見つかるはずです。

 

 

まとめ

リノベーション物件は、新築物件と同じくらいデザイン性や設備に優れているだけではなく、新築以上に自分好みに演出できるのが魅力です。
ただ、本当に満足して暮らすためには、事前の細かい確認が重要です。
少しでも気になることがあったら担当者などに聞いて、十分に納得することができたら、その物件はあなたにとって素敵な生活を導くでしょう。

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