リノベーション物件がなぜ注目されているのか?その魅力と選び方を紹介

 

リノベーション物件が注目された理由

最近では、あえて中古物件を購入して、その後、理想的な住まいを実現させるリノベーションを行ったり、すでにリノベーション工事が行われた物件を購入する、という考え方に注目が集まっています。

リノベーションについてよくわからない方にとっては、「きれいになったとしても、もとは築年数が経った中古物件だからな…」と思う方も多いでしょう。
それでは、「リノベーションが注目されるようになった理由は何か?」「どんなことがリノベーションの魅力なのか?」ということを取り上げ、リノベーション物件をおすすめしたいポイントを紹介します。
「中古物件はちょっと…」と思っていた方でも、きっとその魅力がわかっていただけるでしょう。

 

日本の住宅事情

日本の住宅は、「スクラップ&ビルド」という言葉で表されるように、「建物が古くなると壊して、また新しく再建する」ということを繰り返してきました。
このような背景から、最近では、古くなった建物でも壊すのではなく、きれいにしてまた使えるようにする「リノベーション」によって、“再利用”するという動きが注目されているのです。

日本では、現在、新築住宅が年間約80〜90万戸も建設されていると言われています。
この数は、日本の人口から考えると、他の国と比べてとても多いです。
中古物件に関しては、購入したり補修したりすることに対しては、需要が少なくない傾向にあります。
これは、日本人がもつステータスにおいて、「新しい家を建てること」という考えが根付いているからでしょう。
この考えにより、建物を建て30年くらい経ったら壊して新しく建て直すという「スクラップ&ビルド」が行われてきたのです。

 

空き家の問題

また、「新築を求める」という日本人の考え方から、既存の住宅の多くが“空き家”になっていることも問題になっています。
つまり、住宅は過剰に供給されているのに、次々と新築物件が建設されているのです。
この状況は、戦後、高度経済成長期の時代に、住宅が大量に必要になったことの名残と言えるので、現在の少子高齢化や人口の減少が問題になっている状況には全く適していないのです。

 

環境の保護

このような状況は国レベルで対処が必要になっており、平成18年に「住生活基本法」が施行されました。
住生活基本法は、良質な中古物件を増やして、「古くなったら壊して新しく建て直す」という考えを脱却するための法律です。

住宅を解体する際には廃材が大量に出て、その処理にもさまざまな問題が生じますし、新築すれば多くの材料が必要になります。
このようなスクラップ&ビルドを繰り返すことは、環境にも悪い影響を与え続けるので、“環境の保護”という観点からも、古くなった建物を再利用する動きは重要視されています。

良質な中古物件をリノベーションして価値あるものにすることで、中古物件が物件選びの選択肢に入っていなかった方も興味をもち、消費者を増やすことになるのです。
そして、無駄に建物を壊すこともなくなり、大量の廃材を生み出すこともなくなるのです。
環境保護にもつながるリノベーションは、今の日本にとって重要だと言えるのです。

 

 

リノベーション物件をおすすめする理由

環境保護にも優れ、私たちの健康にも優しいリノベーション物件ですが、そこに“住むこと”にも楽しみや喜びを与えてくれます。

 

憧れの街に住める

住んでみたい憧れの街があっても、立地条件の良い物件がなかったり、価格が高くて予算オーバーだったりすることも多いでしょう。
特に、お店が近くにたくさんあったり駅が近かったりなどの利便性が高い場所や、昔から住宅街として家が立ち並ぶところでは、新築の物件を探すのはかなり大変だと思います。

でも、中古物件を購入してリノベーションしたり、リノベーション済みの物件を購入したりすることも選択肢に入れれば、新築物件よりも簡単に希望の物件を選べます。
それに、新築よりも安くきれいな家を手に入れることができます。
住みたいエリアが決まっていて、利便性が良く住みやすい環境にあって、おしゃれで広々とした快適な暮らしを求めていても、新築物件だけに絞って探すと、それは夢で終わってしまうこともありますが、リノベーションという選択肢を含めれば、その理想も現実になる確率もかなり高まります。

 

こだわりの空間が手に入る

「マイホーム」を持てると思うと、さまざまな理想や希望がわいてくると思います。
親せきやお友達などのお客さんをたくさんおもてなしできる広いリビング、自分の趣味を楽しめるスペース、おしゃれで使いやすいキッチンなど、家の内装の理想は、人それぞれいくらでもあるでしょう。
そんな希望を実現させるためには、注文住宅で家を建てるしかないのでは?と思っている方も多いでしょう。
注文住宅なら、依頼者の希望をもとに設計するので、思い通りの夢のマイホームが手に入ります。
しかし、注文住宅は土地や金銭面の問題から「現実的に難しい」という方がほとんどでしょう。
それをリノベーションなら、コストを大幅に抑えて現実のものになるのです。

また、一般的なマンションは、どれも間取りが似ていてつまらないですが、それをリノベーションすれば、全く違った雰囲気に変えることもできますし、間取りもガラッと変えることも可能です。
特に、フルリノベーションなら、骨組みの状態にまで戻して工事を行うので、間取りも水回りも自由に仕上げることができるのです。
例えば、もともと2LDKの部屋をリノベーションでワンルームに変えて、部屋のスペースを間仕切りで区切れば、広々とした空間に仕上がるので、お客さんを呼んでホームパーティーなども開けます。

リノベーション済みの物件なら、一般的なマンションの部屋とは全然違って、入った瞬間そのデザイン性に惹かれるでしょう。
それに、その物件が気に入れば、すぐに住むこともできますし、費用も抑えられます。

 

環境を守り時代

家電製品について考えても、10年前のものと比べると、最新の家電は性能が上がり節電機能がかなり優れています。
これは家も同じことで、冷暖房の効率を高めて光熱費の削減になっていますし、環境保護や私たちの健康に優しい資材を積極的に使うなど、常に環境保護を意識して進化しています。

特に、今後も「節電」が大きな課題になるのは当然ですし、家で消費するエネルギーは生活に関わるので、住む人にとっても気になることでしょう。
また、家を壊して建て替えることなく、リノベーションすること自体が環境を守ることにつながるので、今の時代に最適な方法なのです。
さらに、無駄を取り除いて家の性能を向上させて、防犯や防災などの安全面も強化すれば、中古物件でも新築と変わらないくらい満足できるものになります。

 

 

リノベーション物件の探し方・選び方

リノベーション物件は、古き良き時代の家の構造を活かしつつ、電気やガスの配管、給排水管などを取り替えたり、性能を改善させたりして、新築とは違う新しい価値をプラスした物件です。
建物を骨組みの状態にして、再び新しい間取りに作り変えていくので、住みやすさやデザインを追求して自由に設計できるのです。

また、リノベーションは「リフォームとの違いがよくわからない」という方も多いですが、大きな違いは「工事の規模」です。
リノベーションは、内装の原形をほとんど残さない大規模な改修工事を行って、部屋全体を新築のようにすることです。
一方、リフォームは、老朽化した壁や床、設備などを部分的に改善させる程度で、内装全体は大きく変わることはありません。
改善したい箇所の面積が大きかったり、部屋の間取りをガラッと変えたかったりする場合は、リノベーションを依頼することをおすすめします。

それでは、リノベーション物件を探すポイントを紹介します。
リノベーション物件を探すには、まず部屋の数はいくつ必要か、そのサイズはどれくらいか、ということをしっかりと決めておきましょう。

 

リビングやダイニング、キッチンのサイズ

「キッチンはダイニングに対して、独立型とオープン型どちらが良いか?」「ダイニングとリビングは兼用で使用するのか?」「ソファやダイニングテーブルはどれくらいのものを、どこに設置するか?」というように、最初に家具の配置を考えておくことで、それに合わせて部屋の間取りを設計することができます。

 

その他にどんな部屋が必要か?

リビング、ダイニング、キッチンの他にも、寝室や子供部屋、書斎など、家族で必要な部屋を話し合って、それぞれの部屋の広さを考えておきましょう。
また、スペースを省ける部屋はあるか、と妥協案まで検討しておくと、リノベーションを計画する時にスムーズに行うことができます。

 

トイレとお風呂

リノベーション物件のメリットの1つには、トイレやお風呂を住む人の希望に合わせられることがあります。
そのため、トイレとお風呂のデザインや必要な機能などを細かく準備しておいて、おしゃれで快適な癒しの空間を実現させましょう。

 

 

リノベーション物件の見学

希望のリノベーションを検討したら、希望のエリアにある中古物件を見学しましょう。
見学する際には、チェックしてほしいポイントがいくつかあるので紹介します。

 

取り壊せない壁はないか?

マンションの場合、各住戸内では骨組みにまでできることがほとんどですが、中には、構造上の理由から、取り壊すことのできない壁もあります。
そのため、担当者にそのような壁があるか聞いて、壊せない壁があったら、自分が求める間取りに支障がないか検討しましょう。

柱や梁の位置

柱と梁は、建物の構造体なので壊すことができませんし、梁が通っている場所は高さが限られます。
そのため、柱や梁の位置は図面に書いておくことで、後から「しまった!ここには部屋が作れなかった!」という失敗もなくなるでしょう。

 

エアコンが設置できるか?窓がどこにあるか?

エアコンを設置できる場所も確認しておかないと、「よく使う部屋なのにエアコンがない」という状況になってしまうこともあります。
物件によっては、エアコンが設置できない壁もあるので、必ずエアコンを設置できるところを確認しましょう。

エアコンと同じように、窓の位置も確認しましょう。
マンションの場合、風通しが非常に悪い物件もあります。
また、風がよく通る場所を確認することで、部屋の間取りを考える材料になると思います。

なお、すでにリノベーションされた物件を探す際も、エアコンが設置できる位置や窓の位置は確認してください。

 

床の段差を確認

マンションに多いのが、トイレや洗面所・脱衣室、バスルームが、他の部屋よりも少し上がって段差が生じることがあります。
これは、床の下に給排水管が通っていることによりますが、この段差をなくしたい場合は、全面の床をその段差に合わせて上げることになり、その分コストがかかってしまいます。

 

 

見学後すぐに行ってほしいこと

リノベーション物件の見学から帰ってきたら、見学してきた物件の気に入ったところや少し問題だと思ったところなど、記憶が新しいうちに思いつくだけリスト化しましょう。
家族など一緒に見学した人たちの意見も聞いてまとめ、図面も用いて、「この物件で本当に良いのか?」「それぞれの部屋の位置をどこにするか?」など、徹底的に話し合いましょう。

このように、希望の間取りや必要な設備などをリストで用意しておき、物件の見学で細かいところまで確認して、その物件が自分や家族の本当に求めているものなのか、じっくりと話し合い検討することが、リノベーション物件を選ぶ重要なポイントになります。
物件の購入は、一生に一度の最大の買い物と言えるので、素晴らしいリノベーション物件と出会えるように、時間をかけて納得のいく物件を選んでください。

 

 

まとめ

どうですか?リノベーション物件の魅力がおわかりいただけましたか?
これから新築物件の購入を検討している方や将来マイホームを持ちたい方は、ぜひリノベーション物件も視野に入れて、実際にその目で確認してみてくださいね。

関連記事