- 2017.10.01
- リノベーションについて
リノベーションってどれくらい費用がかかるの?予算内で納めることも可能!
リノベーション物件は、理想の暮らしが実現でき、環境にも人にも優しく、しかも、新築物件よりも安く手に入るということで、最近とても注目されています。
しかし、これまでリノベーションに関して何も知らなかった方にとっては、その費用がいくらくらいかかるのか、全くわからなくて不安だと思います。
中古物件を購入してからリノベーションを行って、思い通りの部屋を手に入れるには、まずそれにかかる費用について把握することも大切です。
それでは、リノベーションにかかる費用に関して、覚えておいてほしいポイントを紹介します。
リノベーション費用の相場はどれくらい?
「リノベーション」と一口に言っても、希望するリノベーションの内容やデザイン、中古物件の築年数、部屋の広さや構造、必要な設備、使用する資材などによって、大きく費用は異なります。
相場をはっきりと出すことはできませんが、目安としては、内装や設備を全て取り除いた「スケルトン状態」にまで戻してからリノベーション工事を行う場合は、一般的に、1坪あたり25万円〜と考えられています。
それに、こだわりたいところが多ければ多いほど、かかる費用はどんどん上がっていきます。
さらに、その物件の状態や使用される素材によっても費用が変わってくるので、リノベーションのための予算は余裕をもって用意しておく必要があります。
まず重要なことは、実績があって信頼できる優良なリノベーション業者を見つけ、相談してみると良いでしょう。
ケース別のリノベーション費用
リノベーション費用は相場を出すのが難しいですが、「だいたいの費用でも良いので知りたい」という方もいるでしょう。
それでは、建物の構造や部屋のタイプなどのケースによる費用の違いを紹介します。
物件の構造材別のリノベーション費用
建物の構造材には、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の3種類に分けられます。
その中で一番坪単価の低いのは「木造」で、単価は約25万円〜です。
鉄骨造は約35万円〜、鉄筋コンクリート造は約45万円〜ということです。
木造住宅は一番安くリノベーションできますが、築年数が経過しているものは、構造材が腐食していたり、耐震性に欠けていたり、断熱性が劣っていたりなど、致命的とも言える欠陥がある可能性もあります。
欠陥が多い場合は、補強工事などが必要になることがあるので、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のリノベーション費用よりも高くなってしまうこともあります。
このことを考えると、木造の中古物件を購入してリノベーションする場合は、築年数や欠陥がないか気を付けないといけません。
マンションの部屋タイプ別のリノベーション費用
マンションの場合は、部屋タイプによって間取りを変える大きさが違うので、坪単価も異なります。
例えば、ワンルームアパートをリノベーションする場合は、マンションよりも変える箇所の規模が小さいので、坪単価は約15万円〜と費用が安くなります。
しかし、ワンルームでも、キッチンや水回りまでリノベーションする場合は、解体・処分にかかる費用や、新たに設置する設備の材料費などによっては、3LDKのマンションと同じくらいのリノベーション費用がかかってしまうこともあります。
それらのことを考慮して、マンションの部屋タイプ別の相場を調べると、アパートをリノベーションする場合の費用は、坪単価で約15万円〜、ワンルームの場合は約20万円〜、3LDKの場合は約30万円〜ということなので、それを目安に検討してみてください。
リノベーションする面積が同じでも、費用が異なるのはなぜ?
リノベーションにかかる費用は、間取りを変更するか、延べ床面積はどれくらいか、ということで決まってきます。
しかし、築年数が経っている物件の場合は、既存の設備を取り替えたり、老朽化した配管を交換したりなどの工事が必要になり、それだけ費用もかかってきます。
間取りはそのまま残して、部分的に改善するリフォームならば費用をグッと抑えることができますが、スケルトン状態にして全く新たな内装に仕上げるリノベーションを行う場合は、まとまったお金が必要になるでしょう。
リノベーション費用の内訳
それでは、リノベーションには具体的にどのような費用がかかっているのでしょうか?
その内訳を大きく分けて紹介します。
基本工事費
既存の内装や設備を解体工事して、撤去や処分にかかる工事費と、木工事や内装工事、電気配線工事、給排水の工事などにかかる費用が含まれます。
設備機器や資材の費用
洗面台やトイレの便器、浴槽、システムキッチンなどの設備機器の費用や、床材や建具などの費用です。
オプション工事にかかる費用
造作家具や造作建具を新たに設置したり、既存の設備を修繕したりする際に必要な工事費用です。
設計料
設計料はリノベーション会社によって基準が異なりますが、一般的には工事費の5%〜10%前後となっています。
工事費が安く済む場合には、ある程度設計料が固定されていることもあります。
※日東リノベルの場合、弊社で設計した際の設計費は一切かかりません。
諸費用
書類を作成したり申請したりする際にかかる費用や、現場を管理するためにかかる費用などが含まれます。
諸費用は、一般的に、工事費の割合によって異なります。
このような項目がどんな費用なのかしっかりと把握した上で、リノベーション会社で出してもらった見積もりを比較すると、理解しやすいと思います。
また、もともと住んでいた自宅をリノベーションする場合には、工事期間中は自宅に住むことができないので、仮住まいで過ごすことになり、アパートなどを借りる場合は、その家賃2〜3か月分くらい用意する必要もあります。
予算内で希望のリノベーションを実現させるには?
リノベーションは、依頼者の要望によってさまざまな形があり、数十万円単位で予算が大きく変わってくる可能性もあります。
理想を現実的なものに近づけるためには、リノベーション会社と話し合う前に、予算はどれくらい用意できるのかはっきりと決めておくことです。
自分や家族などの意見やこだわりを全て聞いて、それぞれが希望する間取りや欲しい設備など、優先順位をまとめて業者に伝えられるようにしておきましょう。
また、概算見積もりの段階で、予算がオーバーしてしまうことも考慮して、使用する設備や材料など、グレードを下げられる範囲を具体的に決めておけば、効率的に話が進むでしょう。
このように、リノベーション会社に相談する際に、希望する内容を細かいところまで明確にすることで、理想のリノベーションが実現できるプランを、予算内で提案してもらえるようになります。
また、見積もりには含まれていない費用が後から加算されることもあるので、想定外の費用や追加料金が発生する場合について、事前にしっかりと説明してもらうようにしましょう。
リノベーション費用を抑えるには?
「費用は抑えたいけど、理想のリノベーションも実現させたい」と誰もが思いますよね?
でも、さまざまな工夫次第で、予算内でリノベーションできる可能性も高まるので、費用を抑える方法を紹介します。
使用できる部分は利用
リノベーション工事は、物件の築年数や状況、依頼者が求めるものによって異なるので、全ての場合でスケルトン状態にしてからリノベーションを行うのが良い、というわけではありません。
もちろん、内装の仕上がりは新築同様になりますが、まだ使用できるものまで壊して処分してしまうのはもったいないですし、余分な費用もかかってしまいます。
信頼できるリノベーション会社なら、物件の現状調査を丁寧に行って、専門的な知識から使えそうなものは利用し、少しでもコストを抑えられるように提案してくれるはずです。
既製品を取り入れる
家具などを自分の理想とするものにしたい場合や、設置したい場所にピッタリと合わせたい場合、「職人が造る造作家具や造作建具の方が良いのでは?」と思われがちですが、造作は手間がかかるだけに費用も上がります。
また、造作は、職人の技術力によってその仕上がりが、「思っていたのと違う」ということもあるようです。
一方、既製品の品質は、もちろん変わることはありません。
リノベーションをスケルトン状態から行うなら、既製品のサイズに合わせて進められるので、コストを抑えることができます。
最近の家具や棚、建具などの既製品は、種類も豊富でデザイン性にも優れているので、まずは既製品の中から探してみると、理想に近いものや気に入ったデザインが見つかるかもしれませんし、それを取り入れることで安く抑えられます。
素材を選ぶ
例えば、壁の色を変える場合、壁紙を張るよりも、塗装で仕上げる方が費用がかかることがあります。
また、フローリングは、既製品のシート貼りは比較的コストがかかりませんが、自然のぬくもりを感じる無垢材を使用すると費用はかなり上がります。
「フローリングのコストを抑えたいけど、自然素材をどうしても取り入れたい」という場合は、天然木を合成材の表面に張り付けた「突板」を選ぶことで、希望に近づけることができます。
「セレクト型リノベーション」とは?
リノベーションを会社によっては、あらかじめ間取りや設備、仕様が用意され、価格も設定されており、そこからセレクトしてリノベーションする「セレクト型リノベーション」を扱っているところもあります。
リノベーションにかかる費用がわかりやすく、設備や材料などが厳選されているので、リノベーションプランがスムーズでラクに進められます。
特に、中古のマンションをリノベーションする場合は、だいたいの費用が出しやすく、概算見積もりもスピーディに出してもらえるので便利です。
サービスを有効に活用する
リノベーションで最も悩むのが予算の問題だと思いますが、リノベーションやリフォームには、さまざまなサービスが用意されています。
活用できるサービスとしては、「リフォームローン」や「助成金」があるので、活用できるものに頼れば、自己資金が不足している場合の対策として役立つでしょう。
助成金
助成金は、マンションのリノベーションを行う際に、「介護のためのリフォーム」や「省エネに関わるリフォーム」など、国や自治体から補助金として支給されるものです。
地域によって条件がそれぞれ違うので、よく調べて活用しましょう。
リフォームローン
リノベーションを行う際も、住宅ローンと同じように「リフォームローン」を使うことができます。
リフォームローンは、リノベーション工事の規模や返済計画によって、「有担保型リフォームローン」と「無担保型リフォームローン」の2種類に分けられます。
「有担保型リフォームローン」は、住んでいる家を担保として借入することができ、主に規模の大きなリフォーム工事に適用されます。
借入期間は最長で35年ですが、借入金額が大きくなると審査も厳しくなります。
「無担保型リフォームローン」は、担保が必要ないので審査が早く、小規模〜中規模のリフォームで主に適用されます。
有担保型に比べると、返済期間が短く借りられる金額も少なくなり、金利も少し高くなっています。
ローン紹介会社例
㈱オリエントコ-ポレ-ション Orico
物件購入費用とリノベーション費用がセットの住宅ローン
最近では、大手の銀行でも、中古物件の購入費用とリノベーション費用がセットになった住宅ローンを取り扱っているところも増えています。
中古マンションを購入してからリノベーションすることを考えている場合は、このような住宅ローンを利用するのが良いでしょう。
セットになった住宅ローンのメリットは、審査が一度で済みますし、金利についても住宅ローンの方が安く借入期間も長いので、無理なく返済していけるのです。
物件を先に購入している場合のお得なプラン
すでに購入している中古物件をリノベーションする場合は、一般的に、リフォームローンを利用することになります。
そうすると、住宅ローンとリフォームローンのどちらも借りることになるので、毎月の返済額が高額になってしまうケースもあります。
最近では、物件の住宅ローンを返済中でも、そこにリノベーション費用を上乗せできたり、住宅ローンの借り換えをする際に、住宅ローンにリノベーション費用を加えたりできるプランも出てきています。
ただ、返済期間や借入可能額に条件が合ったり、手数料がかかったりするので、どの返済方法が一番返済しやすいか見極めましょう。
住宅ローンの注意点
マンションの購入費用とリノベーションの工事費用を住宅ローンにまとめて組む場合には、ローンの事前審査を行う時に、リノベーションの見積書を用意しておかないといけません。
ほとんどの場合、物件の購入を契約してから、住宅ローンを申し込むまで1週間程度の期間しかありません。
つまり、物件を決めてからリノベーション工事を頼む会社をどこにするか探していては、間に合わなくなってしまうのです。
スムーズに住宅ローンを組むには、物件を探す前に、リノベーション会社を先に探しておきましょう。
そして、そのリノベーション会社の担当者と一緒に気になる物件の見学に行ってもらえば、希望のリノベーションに合った物件を提案してくれたり、専門的なアドバイスをしてくれたりするでしょう。
それに、ローンの事前審査に必要な見積もりも出してもらえるので、スムーズに住宅ローンを申し込むことができるのです。
中古物件をリノベーションする場合と新築物件を購入する場合、その価格差は?
マンションを新築で購入する場合と、中古を購入する場合、必要な費用はどれくらい違いがあるのでしょうか?
さまざまな面から、新築と中古の費用を比較します。
立地条件
都心部にある新築マンションは誰もが憧れますが、予算が厳しい場合は、簡単には手が届かないと思います。
でも、中古マンションの方が価格設定が低いことがあるので、憧れのエリアにあるマンションにも住める可能性があります。
ところが、人気の高いエリアや立地の良い場所、駅や店などが多いところにある物件は、中古物件でも新築とそれほど変わらない価格で販売されていることもあります。
また、中古物件を購入して、その後、リノベーションする場合は、リノベーション費用まで予算に含めて検討しないといけません。
そのため、物件費用とリノベーション費用の全てを含めた予算額をもとに、新築物件と中古物件を比較して、どちらが予算に見合っているかよく考えましょう。
なお、都心部にそれほどこだわっていないのなら、郊外を探してみると手の届く物件も多く、スケルトンリノベーションを行って、理想通りの空間を実現させられる可能性も高まります。
築年数
中古物件を購入する場合、築年数の経過した物件は、内装を大きく変更したり、設備の改修や交換を行ったする必要があるので、リノベーション費用が割高になります。
できるだけリノベーションにかかるコストを抑えたい場合は、築年数の浅い物件を選んだ方が良いでしょう。
購入する時にかかる諸費用
物件を購入する時に、新築物件でも中古物件でも、税金や保険料、手数料などの諸費用がかかってきます。
その中で、新築物件の購入時にだけかかるのが「修繕積立基金」で、将来行われる大規模修繕のために積み立てる「修繕積立金」を補う目的で徴収され、目安としては20万円〜30万円くらいです。
また、中古物件の購入時にだけかかる費用には、不動産会社に支払う「仲介手数料」があり、物件価格の3%に6万円がプラスされた金額が必要になります。
さらに、中古マンションの場合、大規模修繕が10年〜15年に1度行われますが、購入する時に修繕積立金が不足していると、大規模修繕の時に一時金を支払わないといけないこともあるので、そのことも事前に確認しておいた方が良いでしょう。
費用別のリノベーション例
リノベーションにかけられる予算は、依頼者それぞれで違いますが、価格帯によってどんなリノベーションが可能なのか紹介します。
100万円〜300万円のリノベーション例
300万円以下だと、部屋全体のリノベーションまではできませんが、キッチンや洗面室、お風呂など、部分的にきれいにすることは可能です。
また、壁に収納スペースを作ったり、窓を「拭きだし窓」に変えたりすることもできます。
300万円〜500万円のリノベーション例
500万円くらいかければ、部屋を仕切っていた壁を撤去して、リビングダイニングに変えるなど、間取りを一部変更することもできます。
また、古くなった流し台をシステムキッチンに取り替えたり、トイレをウォッシュレット付きトイレにしたり、古くなったお風呂を最新モデルのバスルームにしたりすることもできます。
500〜800万円のリノベーション例
一戸建ての場合、間取りを変更して広いリビングダイニングを作ったり、壁紙やフローリングを張り替えたりすることができます。
マンションの場合は、スケルトン状態にして、LDKを広く配置することで、光が奥まで届く明るい部屋に生まれ変わります。
また、子ども部屋を作ったり、キッチンや洗面室、トイレなどを一新することもできます。
800〜1000万円のリノベーション例
一戸建てなら、一部リビングを増築して広くし、キッチンは水道工事も含めて配置換えを行い、おしゃれなオープンキッチンを設置するなど、間取りを大きく変更することができます。
また、フローリングは無垢材に変更して、ナチュラルで高級感漂う雰囲気に仕上げることも可能です。
マンションなら、最新設備を設置するなど機能性を上げたり、おしゃれでこだわったデザインをオーダーして仕上げたりできます。
1000万円以上のリノベーション例
一戸建てもマンションも、間取りを大きく変更するだけでなく、断熱性や耐震性を高めたり、自然素材にこだわったり、騒音に配慮したりする工事まで可能です。
壁材には、調質性や消臭効果のあるものを採用して、どこにいても快適で最高の空間を作り上げることができます。
また、マンションでは、リビングを広々と作り直し、家族みんなで楽しめるホームシアターを設置したり、洗面所やバスルームをホテルのような清潔感あふれるデザインにしたりすることもできます。
まとめ
建物のリノベーションを行うことで、中古物件でも理想の生活空間を実現させることができますが、どうしても高額な費用が必要になります。
しかし、さまざまな工夫によっては、リノベーション費用を抑えることができますし、サポートしてくれるサービスも用意されています。
リノベーションをして夢へと近づくためには、依頼者もリノベーションについて十分に学び把握し、不安や疑問がある場合は専門家に相談して、事前に細かいところまで計画を立てることが大切です。